現代社会において、インターネットは生活の中で欠かせないものになっています。知らない言葉はネット検索、旅行の予約や食事のオーダーもネットが主流、海外の人との会話もSNSで手軽にコミュニケーションできるなど利便性が向上しています。
その反面、サイバー攻撃(インターネット関連の犯罪)による被害やトラブルは大きな社会問題になっています。サーバやパソコンに不正侵入して情報流出事故になったり、マルウェア感染で業務が停止するなど深刻な被害になることが多々あります。
本記事では、サイバー攻撃の手口や被害抑止のための対策などを紹介します。基本的な知識を身につけて、サイバー攻撃の被害を未然に防ぎましょう。
サイバー攻撃とは?種類
サイバー攻撃とは、インターネット関連の犯罪の総称です。攻撃手法が年々増加しており、誰にでも攻撃対象になる可能性があります。ここではサイバー攻撃とは何か?サイバー攻撃の種類を紹介します。
サイバー攻撃とは?
サイバー攻撃とは、サーバやパソコンに対して意図的に攻撃を行うことを言います。企業内のコンピュータシステムに侵入しデータを取得・悪用したり、個人のパソコンやスマートフォンを使って金銭を詐取するなど世界中で被害やトラブルは増加傾向にあります。
サイバー攻撃の種類
サイバー攻撃には、様々な種類が存在します。ここでは、代表的なサイバー攻撃について説明します。
- マルウェア:サーバやパソコンに侵入し、破壊や情報の盗み出しを行うプログラムです。
- スパイウェア:不正な監視を行い、情報を盗むプログラムです。
- フィッシング:架空のウェブサイトを作成し、そこでログイン情報やクレジットカード情報を盗み出す手法です。
- スミッシング:SMSや電話を使い、架空のメッセージを送り、そこでログイン情報やクレジットカード情報を盗み出す手法です。
- ランサムウェア:サーバやパソコン内のファイルを暗号化し、解除するための身代金を要求する攻撃です。
- タイポスクワッティング:URLの入力ミスなどにより、予め用意した罠サイトへ誘導する手法です。
サイバー攻撃の被害と事例
サイバー攻撃の被害
- ウイルス感染: ウイルスは悪意のあるソフトウェアで、コンピュータやネットワークに侵入し、データ破壊や情報の盗み出しを行います。有名なウイルスの事例には、「ウォナクライ」(WannaCry)と呼ばれるランサムウェアがあり、これは多くのコンピュータを暗号化し、身代金を要求しました。
- フィッシング詐欺: フィッシング攻撃では、詐欺師は信頼性のあるように見せかけた偽のウェブサイトや電子メールを使用して、個人情報や金融情報を盗もうとします。銀行やオンラインサービスの詐欺メールが一般的な例です。
- DDoS攻撃: 分散型サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)では、攻撃者は大量のトラフィックをターゲットのウェブサイトやネットワークに送信して、そのサービスを一時的に利用不能にします。これにより、オンラインサービスやウェブサイトがダウンし、サービス提供者に深刻な損害を与えます。
- ソーシャルエンジニアリング: ソーシャルエンジニアリング攻撃では、攻撃者は人間の心理や信頼性を悪用し、情報を得たり、アクセスを許可したりします。たとえば、電話で偽の技術サポート担当者を装い、被害者にコンピュータへのアクセスを与えることがあります。
- スパイウェアとマルウェア: スパイウェアやマルウェアは、ユーザーが気づかないうちにコンピュータにインストールされ、情報を盗み出すか、不正な活動を行います。たとえば、「スタキシャ」と呼ばれるスパイウェアは、キーボード入力を盗み出すことで個人情報を収集しました。
- サプライチェーン攻撃: サプライチェーン攻撃では、サプライヤーを通じてターゲットを攻撃します。有名な例として、ソーラーワインズの侵害が挙げられます。攻撃者は、ソーラーワインズのソフトウェアにバックドアを仕込み、多くの組織に影響を与えました。
これらはサイバー攻撃の一部であり、様々な形態と動機が存在します。組織や個人はセキュリティ対策を強化し、サイバー攻撃からの保護を向上させる必要があります。
サイバー攻撃の具体例
- 事故の種類:マルウェア感染、外部からの不正アクセス
- 業種:某官庁
- 概要:サーバに外部からの不正アクセスがあり、100万件以上の個人情報の情報漏洩が発覚しました。職員がメールに添付されたファイルを開封しマルウェアに感染。外部からサーバへ接続可能になり、情報が取得されたと思われる。
サイバー攻撃への対策
サイバー攻撃に備えるためには、適切な対策が必要です。以下に、サイバー攻撃への対策を紹介します。
- パスワードの強化:パスワードは簡単なものではなく、英数字や記号を組み合わせた複雑なものに設定しましょう。また、同じパスワードを複数のサイトで使用しないようにしましょう。
- セキュリティソフトの導入:ウイルスやスパイウェアなどのマルウェアを検知・削除するために、セキュリティソフトを導入しましょう。
- 定期的なバックアップ:重要なデータは定期的にバックアップを取りましょう。もし、ランサムウェアによってファイルが暗号化された場合でも、バックアップがあればデータを復旧することができます。
- 更新の確認:ソフトウェアやアプリの定期的な更新を確認し、最新版に更新しましょう。最新版では、過去の脆弱性が修正され、セキュリティが強化されている場合があります。
- 偽のメールやSMSには注意:フィッシングやスミッシングなどの手法を使った攻撃には、偽のメールやSMSに注意しましょう。送信元の確認や、リンク先の確認などを行うことが重要です。
まとめ
本記事では、サイバー攻撃の基本的な知識から、対策までを解説しました。インターネットがより普及する現代社会において、セキュリティについての意識が高まっています。正しい知識を持ち、適切な対策を行うことで、被害を最小限に抑えることができます。みなさんも、今一度、自身のセキュリティについて見直してみてはいかがでしょうか。