財務リスク RL-002

こんなことってありませんか?

  • 資金繰りが厳しいけど、月末の支払いどうしよう…
  • 今月の売上は良かったのに、利益が全然残ってない
  • 社長が“設備買うぞ”って言ったけど、回収できるのかな?

経営や現場の“感覚”に頼った判断が、財務の落とし穴に変わることも。

概要と定義

財務リスクとは、企業の資金繰りや収益構造、コスト構成、取引の未回収など、“お金の流れ”に関するリスクを指します。

  • 「お金が足りない」だけではなく、「利益が残らない」
  • キャッシュの出入りが読めない
  • 損益と現金がズレている

といった、“見えにくい問題”が積み重なるのが特徴です。

主なリスク一覧(クリックで詳細へ)

リスク名称 説明(簡易)
キャッシュフロー悪化 支払いばかりが先行し、手元資金が足りなくなるリスク
赤字経営の長期化 赤字が継続し、資金繰り・信用に影響する経営上のリスク
在庫過多による損失 過剰な仕入れや需要予測ミスにより、商品が売れ残るリスク
為替変動リスク 海外取引などで為替レートの変動により収支が大きく左右されるリスク
売掛金回収不能 取引先が倒産・夜逃げなどで、請求した代金が回収できないリスク
原価の高騰 材料費や物流費などのコストが上昇し、利益を圧迫するリスク
不要支出の増加 効果の薄い出費や浪費によって、財務が圧迫されるリスク
無計画な投資 回収見込みのない投資や設備導入により、資金が滞留するリスク
粗利率の悪化 販売単価と仕入原価のバランスが悪化し、収益性が低下するリスク
過剰割引による利益圧迫 値引きやキャンペーンで売上を稼ぐが、利益が削られてしまうリスク

財務リスクの構造図(例)

よくある“感覚経営”が、財務破綻のトリガーに?

判断例 何が起きる?
「今年は設備投資で攻めよう!」 実需を見誤って遊休資産化 → 減価償却コストだけが残る
「値下げすれば売れるでしょ?」 売上は増えたが利益率が下がり、赤字スパイラルに
「販促キャンペーンは勢いが大事」 根拠なき大量仕入れ → 在庫過多で最終的に処分・廃棄
「この取引先は信頼できるから…」 売掛回収が遅れ、資金ショート寸前
「利益は出てるし大丈夫でしょ」 キャッシュフローを無視 → 現金不足で支払いが滞る

予防のための対策

対策カテゴリ 主な対策案
財務の見える化 キャッシュフロー表の作成、利益構造の分析、月次試算表の確認
コスト管理 変動費・固定費の明確化、不要支出の洗い出し
投資判断ルール 投資回収期間の設定、稟議制度の厳格化
在庫管理 適正在庫指標の設定、需要予測の導入、廃棄リスクの可視化
顧客管理・与信 与信限度設定、売掛金回収管理、信用調査の導入

ソリューション導線 🔗 SOLPAで財務の見える化・改善手法を学ぶ

まとめ:数字に“気づく力”が、トラブルを未然に防ぐ

財務リスクは「派手な事故」ではなく、「じわじわと効いてくる沈没の前兆」です。
見える化しなければ、気づかないまま取り返しがつかなくなることも──。

📉 損益は黒字でも、財布の中身は空っぽ。そんな矛盾、放置していませんか?